私、お菓子屋さんになるかも

私がお菓子屋になりたいと思ったきっかけお話しましょうね



エピソード01


親友の長男が小学一年生の頃、手紙をくれました。
普段間食をせず、お菓子を食べない彼はなぜか私の焼き菓子だけは毎回とても嬉しそうに食べてくれました。
そんな彼からもらった１通の手紙が、おそらく私がお菓子屋を夢見たきっかけ。


ゆうさんへ

ぼくはゆうさんのつくるクッキーやスコーンがだいすきです。
とてもおいしくてたくさんたべたいです。
またつくってください。



このときの何ともいえないこそばゆさ、
お世辞の無いまっすぐな彼の想いが嬉しくて、
私は、人に食べてもらう喜びを仕事にしようと志したのだと思います。





エピソード02

ハンドメイド活動を通じて家族ぐるみで仲良くなったMさん。
まだまだお菓子屋を始めるなんて思ってもいない頃、自慢のクッキーを何度かお裾分けしていました。
ある夜、ふと彼女の記事を見ていたら
私が焼いたクッキーとコーヒーの写真と添えられた一文。

「子どもの寝静まった夜、旦那と二人でおいしいティータイム♡」

この記事を読んだ瞬間、そのMさん夫婦の幸せそうな光景が手に取るように浮かんできて、とても幸せな気分になりました。
あ、私の焼いたお菓子、とっても幸せな場所にいる。
そんな風に思ったのです。
そんなお菓子であってほしいと思ったのです。



特別なお菓子でなくていい

ただ、
特別な人と一緒に食べたいお菓子でありたい、
特別な人に贈りたいお菓子でありたい。
そう思ったのです。




小さな頃お母さんが好きだったお菓子屋さんのクッキー、
その子は大きくなって自分の稼いだお金でそのお店でクッキーを買うんだ。
母の日にもそのクッキーを添えて贈るんだ
大人になった彼女は初めての彼の家への手みやげにあのお店のクッキーを持った。

時が経ち、彼女はきれいな花嫁になった
華やかな結婚式の後、がらんとした家で引き菓子を開ける母の手が止まった。

小さな手を引いて娘と通い続けた思い出のお店のクッキー





こんな実話が生まれるまで、私、焼き菓子屋続けたいと思っています。



私にも小さな頃から通ったケーキ屋さんがあってね。
両親に、しょっちゅう連れていってもらってさ。
父はケーキをふたつも食べるんだ。甘くないからいいんだ！って。
それを見た母は呆れて笑う。
私も父に便乗してふたつ食べたっけ。
ケーキ屋の奥さんは父が１人でしょっちゅう来るってばらして、
母はやきもちをやいて、父は苦笑い。
そこにはそんな優しい時間があった。
今でも色褪せない大好きな思い出。


私も結婚が決まり、引き菓子を選ぶ時期がやってきた
食べたことも無い、おいしいのかすらわからない引き出物カタログを眺めたけれど
私はカタログをすぐに閉じて、あのケーキ屋に向かった。
大好きなバームクーヘンを引き菓子に。
ケーキ屋の奥さんが涙を流して喜んでくれたっけ。
小さな手紙を添えて私の結婚式の引き菓子に贈りました。


私たち夫婦が大好きなバームクーヘンです。
晴れの日の今日、お祝いしてくださった大切な大切な方々へ
私たちが一番好きなお菓子を食べていただきたいと思い、
このバームクーヘンを贈ります。


とね。
これ実話です。
残念ながらこのお店は数年前に閉店してしまいました。
が、いまでもあの味はしっかりと覚えています。

引き菓子には自分たちがおいしいと納得したものを贈りたかった私。
おいしいね、が一緒だとうれしいでしょ。
おいしかったよ、が聞けるとうれしいでしょ。


だからね、ハハコグサのお菓子はぜひ一度食べてから、大切な方へ贈ってほしいと思っています。



ハハコグサのお菓子で笑顔が生まれますように・・・願いを込めて